2015/12/11 16:45

【旅/ドライブ】アメリカ横断ルート66の旅 プロローグ~ルート66の走り方

Text:Naohide ICHIHARA (Editor in Chief) Photo:Naohide ICHIHARA (Editor in Chief)

そこには旅の醍醐味すべてが詰まっている

 

 ルート66と聞いてみなさんは何を思い出すだろう? 若い人なら少し前にヒットしたディズニー映画の「カーズ」かもしれないし、ベテランのみなさんなら1960年代に日本でも放送されたアメリカのTVドラマ「ルート66」かもしれない。でもきっと多くの人に共通するのは、エルビス・プレスリーやマリリン・モンロー、そしてきらびやかなネオンサインが光るモーテルやテールフィンのそびえ立つキャデラックなど、ぼんやりとしたあの「古き良きアメリカ」のイメージなのではないだろうか。

 

 そう、ルート66とはよく聞くけれど、僕を含めてそれが何なのかを知っている日本人はほとんどいないのでは……というわけで、この夏、少し長い休みがとれたのをいいことに実際に行って走ってみた。シカゴからロサンゼルスまで、全8州およそ4000km。ここではその旅行記を何回かに分けてお届けしていこうと思うが、まずはその前にルート66の旅に興味がある人のため、旅行プランの立て方や走り方について書いてみようと思う。もちろん、ここで書くことが唯一無二のベストな方法というわけではない。自分の予定や予算に応じて適宜アレンジしていただきたい。

 

ルート66とは?

 

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 1926年に制定されたアメリカの一般国道のこと。ミシガン湖畔の街シカゴと太平洋岸のサンタモニカを結んでおり、総延長は3939km(ルートの変遷により、年代により若干異なる)。通過する州はイリノイ、ミズーリ、カンザス、オクラホマ、テキサス、ニューメキシコ、アリゾナ、カリフォルニアの全8州。アメリカの中西部と西部を横断する形で結んだこの国道は、その後、人やモノだけでなく文化や経済までを運び、合衆国の発展に大きく貢献することになった。全盛期は1950年代といわれ、道を行くトラックドライバーや旅行者のため沿道の街にはレストランやモーテルが続々と建設され、その中からファストフードなどの新産業が生まれるとともに、映画や音楽の題材にもなることでポップカルチャー発展の一翼までを担うことになった。しかし時代とはスピードを求めるもの。高速道路網の発達とともにルート66は衰退してゆき、1985年には正式に廃線となる。現在は文化的/経済的側面から各地で保存活動が行なわれており、沿道には旅行者を楽しませるアトラクションも増えてきている。

 

何日かかる? どっちから走る?

 

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 せっかくルート66を走るのだから、ぜひかつての旧道(いわゆる下道)をゆったり走ることをおすすめする。高速道路ばかり走っていてはあまり風景が変わらないからだ。かかる日数は走り方にもよるが、もし旧道を地図を睨みつつオリエンテーリングのように辿ってゆくなら、日本~アメリカ間の移動日を除き9~10日というところだろう。私は8日で走りきったが、下道ばかり1日800km走ったことも……。それでも沿道によりどりみどりの観光スポットすべてを堪能するのは不可能。もし楽しみたいなら2週間くらいはみておきたいところだ。

 

 もし10日で旅行を計画した場合、4000km÷10日で1日400km走る計算になるが、下道といっても渋滞はほとんどないし制限速度もだいたいのところで時速55マイル(89km/h)まで出せるので、ストレスがたまるようなことはない。また西に行けば行くほど荒涼とした原野を進むことが多くなるので距離が稼げる。東側は割と町中を走る機会が多かったり博物館などのアトラクションが多く、意外に時間がかかるのだ。私の場合東部は1日350km程度、西部は6~800kmという感じだった。

 

 そして東のシカゴと西のサンタモニカのどちらからスタートするかだが、これはもう絶対にシカゴがおすすめ。アメリカの歴史は「西部開拓時代」という言葉があるように、西へ西へと進んでいった。博物館の解説だけでなく車窓の風景からもそのことは感じられるし、何より1日の終わりに眺めるフロントウインドー越しのサンセットは格別だ。

 

レンタカーは、ホテルは? で、いくらかかる?

 

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 長旅なので、レンタカーはなるべくホイールベースが長くてエンジンにゆとりがある大型車がいいだろう。私の場合はハーツレンタカーでプレミアムクラスのシボレー・インパラ(2.5リッター)を借りた。シカゴ空港で借りロサンゼルス空港に返却なので乗り捨て料金が750ドルかかり、9日間借りた料金は計2030ドル(24万3600円、$1=¥120換算)だった。これは保険にフルに入ってナビのオプションをプラス、10%のカード会社割引が適用された価格。レンタカー会社のホームページで簡単に試算できるから、興味のある向きは一度試してみるといいだろう。

 

 ホテルはスタートのシカゴと最終日のサンタモニカだけは日本で予約していったが、道中は行き当たりばったりで大丈夫。日が暮れたらナビで近くのホテルやモーテルを探し、飛び込みで入っても部屋がないということは一切なかった。料金はチェーン系の比較的きれいなホテルなら80~120ドルくらい、ルート66全盛期から開業しているような雰囲気のあるモーテルはもっと安く、50~80ドルくらいで泊まれる(いずれも1人1部屋の場合)。

 

 これに食費、博物館や国立公園などアトラクション施設の入場料、そしてクルマの燃費に応じたガソリン代などが別途かかってくる。ちなみに私が今回払ったガソリン代はトータル2万6000円ほど。ガソリン代が安いから、多くの日本人にとっては距離の割にはかからないという印象だろう。参考までに、取材時は$1=¥120換算でレギュラーガソリン1リッターあたり63.4円だった。また一部区間は高速道路を走ることになるが、こちらの料金はもちろんどこまで走ってもタダ! この開放感もアメリカをドライブする醍醐味のひとつだ。

 

治安は? 運転で気をつけることは?

 

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 私も走る前はこのことが気かがりだったが、通過するのはほとんどが田舎街であり、さほど危険な匂いのする場所は多くなかったという印象だ。ただしシカゴ(イリノイ)、セントルイス(ミズーリ)、タルサ(オクラホマ)、アルバカーキ(ニューメキシコ)、ロサンゼルス(カリフォルニア)といった一部の大都市では、ルート66が近づかない方がよさそうなダウンタウンを通っている。そのようなエリアは迂回するか、クルマから降りることなく十分に気をつけて通過するようにしたい。ただし悪いヤツはどこにでもいる。クルマから離れるときは見えるところに荷物を置かないなど、決して気を緩めないように。

 

 運転は道幅も広くおおむね快適に移動できるが、日本とは異なる右側通行だけに逆走だけは絶対にしないように! 私はいつも「自分がセンターライン寄り!」と言い聞かせながら運転している。また制限速度だが、日本とは異なり十分合理的なスピードに設定されているから、こちらも標識をしっかりチェックしてちゃんと守ること。旅の時間が限られているだけに、パトカーにつかまって余計なロスはしたくないものだ。

 

 最後に、アリゾナ州のオートマンという街へ向かう山岳路にも要注意。ルート66上で唯一のツイスティーなワインディングが続き、絶景も楽しめるからクルマ好きにとっては格好の峠道なのだが、道が狭い上にブラインドコーナーが多く、しかも対向車がそこそこ来るのにセンターラインがないという有様。さらに断崖絶壁にもかかわらず一部区間はガードレールすらない! 日本ではちょっと考えられないが、これも自由と自己責任は表裏一体ということなのだ。

 

 以上、プロローグ編ではルート66の予備知識、そして走り方のアドバイスについて書いてみた。次回第1回は、いよいよイリノイ州シカゴからスタートする。お楽しみに!

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